【短】碧くんしか見てないよ
…待って。
この状況、まずくない?
ようやく気づいた、わたし。
たしかにね、信じてもらえるまで頑張ればいいって思ったよ。
だけど…。
これじゃ完全に、ストーカーだよ。
嫌われちゃうよ。
碧くんはここまでかけのぼってきたはずなのに、息切れ一つしていない。
わたしなんてはあはあ言ってる。
なにか言わなきゃ。
ここで黙って去ったら、余計に気持ち悪がられる。
なんて言えばいい?
気になってついてきちゃった、みたいな?
いやそれは脈ありが言うセリフだ。
脈なしなんだから、まずついてきてごめん、が正しいはず。
絶対きもいって思われてる。はやく謝らないと。
「…ごめん」
わたしが言うはずだった言葉をそのままそっくり言ったのは、碧くんだった。
「え………」
碧くん、今、なんていった?
ごめん…?
なんのごめん……?
……ああ、返、事……?
わたし……ふられたの…?
こんなに…っ好きなのに──
「……この前は、ごめん」
申し訳なさそうに。すごく、真面目に。
その表情に、すごくドキッとしたんだ。