日向はキミのもの。
「かぁーっ。悪すぎる・・・」
「優希、何点だったの??」
「教えるわけないよ。これはひどい。」
前の席の子に点数を聞かれた優希。
優希がそこまで見せないということは、相当悪いのだろう。
優希は黒髪だけど、結構チャラい。
勉強はあんまりしてなさそうに見えるけど、隣のクラスで噂だった。頭がいいって。
ランキングにも確か上位にいた気が・・・。
「次ー吉木~」
あーっ、ドキドキする。
「吉木はよく出来てるよ」
テストをもらう前に先生に声をかけられた。
よく出来てるの???
自分の席へ戻る途中、歩きながら、
テストをそろりと開けると、なんと
「えっ、98点!?」
「うわっ!!!!!」
びっくりしたぁ。。。
席に座っていたはずの優希が私の後ろで声を上げた。
「すげぇじゃん!」
「え、優希どうしたの??」
「あっ、こうすけ見てこれ。」
「えっ、すげぇ~」
「なになに??」 「優希なにー?」
優希が喋るとみんなが反応する。
私の周りに人が・・・
人が苦手だけど、
なんだか、嬉しくなった。
「吉木さんってすごいね」
「初耳だよぉー」
「今度勉強教えてよっ!!」
案外、人と関わるのもいいなっ。
「日向ちゃん。友達 って楽しいよ」
ボソッと誰もに聞こえないように優希は言葉を吐いた。
そうかもしれない。
友達なんてできたことなかったから、分からなかったけど いいのかもしれない。
「ちなみに、俺の点数。
じゃじゃーん」
・・・72点
「微妙。」
「日向ちゃんと俺だけの秘密だよ(笑)」
「しょうもない秘密。(笑)」
友達がいれば、
そのしょうもない秘密だって笑い合えるんだ。