日向はキミのもの。











「日向ちゃぁん。」



「どうしたの?」



「ここ分かんないっ」



「どこ?


・・・こ、これ?」



「うん。」



「これは、高校1年の問題だよ。
しっかりしないと!!」



「う、うそ!?」



「私たちもう受験生だから、意識持って!」



「意識は持ってるぅ!」



「はいはい。
がんばろがんばろ!!


つばさちゃんは、やればできる子だから!」



「うふふっ


私はやればできる子なんだねっ!」






くっ・・・くそかわいい・・・

こんな子に無理させるのは・・・!!



いや、でもこの子のためだ!頑張らそう!









「・・・んんーっ!ちょっと休憩がてらに出かけたい。」


「よく頑張ったね!


もう4時間もしてる!!」



「うそっ?4時間も??


こんな長く勉強したの初めて!!」



「まぁ、つばさちゃんにしては長いよね」



「何その言い方!

日向ちゃんはちゃんとしてるの?」



「してるよ〜!平均5時間くらい!」



「いやすごすぎでしょ」



「他にすることもないしね」






スマホとかも触りたいとか思わないし、とりあえず今は勉強だけで生きていける。



つばさちゃんは教科書を閉じて、筆箱をカバンの中に入れた。




「もしかして出かける気 満々?」



「バレちゃった?」



「うん(笑)」





結局勉強を中断して家を出た。




「どこ行くつもり?」



「うーん。公園とか?」



「こ、公園?!」



「ダメ?」



「いやいいんだけど、珍しいなって。」



「あーっ、そうだね」







家から公園までは歩いて5分ほど。


この公園は人も少なくて居心地が良い。





「はぁ〜っ!ここの公園っていいよね」



「うん」



「なんか、勉強って敵から開放されたみたい」



「うん」




自動販売機で買ったジュースを片手にベンチに座る。















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