10日間彼氏
彼とお付き合いすることなった2日目のその日から私達は、あの古ぼけた、いやいやレトロな喫茶店で待ち合わせることにしていた。

その日は、私の部活、手芸サークルが長引いてしまい、喫茶店で彼を待たせてしまっていた。

「ごめんなさい、遅くなりました」

彼は、私が喫茶店に入ってきたことにも気づかないくらい集中して、鉛筆でなにかをメモ帳に書いていた。

私がメモ帳だと思ったそれは皮の背表紙で、学校で使うノートよりも少しだけ小さく、メモ帳にしては少し大きなサイズだった。
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