10日間彼氏
サラサラと流れるようなタッチで手を動かしているので、字を書いているというよりも絵を描いているようにみえた。

下を向いているその顔も、素敵でつい見惚れそうになる。

「あ、あのすみません」

「あ、ごめん」

絵に集中していたのか、全然こちらに気づいてくれないので、もう一度声をかけるとようやく私に気づいてくれた。

彼は私の顔をみると、慌ててメモ帳を閉じて鞄に片付けた。

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