10日間彼氏
「うわーすごーい、高いね。見てみて、青くん」

観覧車から、街並みが一望できて爽快な気分になる。

「そうだね」

あれ、元気ないな、口数も少ないし。青くん、どうしたんだろ。

「青くん、あの、隣に行ってもいい?」

返事も待たずに私は立ち上がって、彼の隣に座る。

彼は窓の外ばかり見ていてこちらを向いてくれない。

この沈黙に、ドキドキと胸が高鳴る。

青くん、大好きだよ。

彼の綺麗な鼻筋が際立つ横顔を見ていたら急に想いが溢れてきてしまった。

彼の腕にもたれかかって、そっと目を閉じた。
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