Snow Doll ~離れていても君を~
*
さっきのは、どういう意味だったの……。
廊下を歩く海里の背中を、少し離れた位置から追いかけ物思いにふける。
手を繋ぐのはともかく、指先にキスだなんて……。
思い返すだけで頬が熱くなっていく。
海里のことだから、私が聞いても普通に『ただ何となく』とか誤魔化しそうで。
放課後にでもケイに相談してみようと心の中で予定を立てた。
「おはよー、優希奈ちゃん」
教室に入るとすぐに廊下側の席から声がかかった。
「おはよう、小野寺君」
「──おい、理希。いつの間に姫と仲良くなってるんだよ」
今日も耳にピアスをたっぷり付けた、短髪の椎名君が怪訝そうに問う。
「いやー、まあ。海里繋がり?」
ワックスでセットした赤茶の髪を直しながら、小野寺君は答える。
約束どおり、海里と同居していることは言わないでくれたみたいでホッとする。
「優希奈ちゃん。放課後、俺と椎名も参加することになったわ。よろしく~」
「ほんと? 良かったー」
笑顔を向けると、小野寺君も人懐こい笑顔を返してくれた。
海里は私達にはかまわず、廊下側の後ろから二番目の席につく。