Snow Doll ~離れていても君を~



さっきのは、どういう意味だったの……。


廊下を歩く海里の背中を、少し離れた位置から追いかけ物思いにふける。


手を繋ぐのはともかく、指先にキスだなんて……。
思い返すだけで頬が熱くなっていく。


海里のことだから、私が聞いても普通に『ただ何となく』とか誤魔化しそうで。

放課後にでもケイに相談してみようと心の中で予定を立てた。



「おはよー、優希奈ちゃん」


教室に入るとすぐに廊下側の席から声がかかった。


「おはよう、小野寺君」

「──おい、理希。いつの間に姫と仲良くなってるんだよ」


今日も耳にピアスをたっぷり付けた、短髪の椎名君が怪訝そうに問う。


「いやー、まあ。海里繋がり?」


ワックスでセットした赤茶の髪を直しながら、小野寺君は答える。

約束どおり、海里と同居していることは言わないでくれたみたいでホッとする。


「優希奈ちゃん。放課後、俺と椎名も参加することになったわ。よろしく~」

「ほんと? 良かったー」


笑顔を向けると、小野寺君も人懐こい笑顔を返してくれた。


海里は私達にはかまわず、廊下側の後ろから二番目の席につく。
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