Snow Doll ~離れていても君を~
二人で廊下を歩いているうちに、いつの間にか恋人繋ぎの状態になっていて、普段と違う状況にドキドキと胸が高鳴る。
まるで、校内にいる生徒全員に見せつけているみたいだ。
すれ違う人達みんなが、目を丸くして二度見している。
「あれー、珍しいね。海里君が校内で手を繋いでいるなんて」
部室から出てきたのは春馬君で、意外そうに眉を上げている。
海里は春馬君に見られても気にせず、繋いだ手を離さなかった。むしろさらに力を込めてくる。
「人払いしておくから、ごゆっくりー」
気をつかってくれたのか、意味深に笑った春馬君は部室の前から遠ざかっていった。
*
扉の鍵がかけられた瞬間、私は海里に自分から抱きついていた。
もうこれ以上、耐えられなかった。
恋人の定義は人それぞれとはいえ、付き合っていないフリを続けるのはどうかと思う。私のことを彼女として、もう少し認めて欲しい。
これならまだ、同居していたときの方が恋人っぽく一緒に登下校していた気がする。
「俺のためにというなら、無理しなくていい。俺の気持ちはずっと変わっていない」
「……違うの。私が海里に触れたいの」
うっかり本音が出てしまい、海里が微かに目を見開く。