Snow Doll ~離れていても君を~
「ロイヤルストレートフラッシュだと……!?」


如月先輩がこの世の終わりのような声をあげ、カードを投げ出した。


海里のカードはA、K、Q、J、10と並んでいて、その5枚が全てスペードだった。


最強の役で、揃う確率が半端でなく低いと兄から聞いたことがある。


「海里君の勝ちかー」


春馬君は綺麗にカードを片づけながら言う。


「で、結局、何の勝負だったの?」

「優希奈さんの髪を乾かす役、誰がやるか決めてた」

「髪……?」


さらりと答える春馬君に絶句する。


「この私がカードゲームで負けるなんて。ユキの綺麗な髪、乾かしたかったのに!」

「俺も。さっき優希奈さんの髪、触りそこねたからなー」

「……海里のヤツ、本気出しやがった」


負けたみんなは口々に悔しげな台詞をもらす。


「もう……! ドライヤーぐらい、自分でかけられますから!」


呆れた私は脱衣所へ駆け込んだ。
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