怨返し─赦されない私の罪─
お前は俺達が捕まっても喋らねぇから安心と思っているんだろうが、そうなったら俺は全て喋る。章太の事も、今までの事も。
それで竜さんが報復にきても、せいぜい奪われるのは寝床と俺の命だけだ。清都には悪いが、清都もそれだけの事をしたってことだ。
来希は携帯である動画を画面に表示した。
清都と京吾、そしてその中心にいる章太。水を被せられ、ビショビショな状態で四つん這いになっていた。そして、そこで清都が腹に蹴りをいれ、爆笑の嵐。章太は苦痛に顔を歪ませていた。
「...悪い事をしているのは分かってた。だが、辞められなかったんだよな〜。やっぱ楽しかったし、別にこれの代償の払わされるってんならそれでもいい。
どうせ、俺は生まれた時から死んでるのと同じだからなぁ....」
そう呟いて来希は動画を視聴し続けた。まるで修学旅行にとった動画を見返して懐かしくなるかのように。
「....ん?なんだ?」
来希が異変に思ったのは動画が中盤に差し掛かった所だった。ボロボロになった章太に、撮影を変わってもらった来希がコウロギを無理矢理食べさせていたシーンだ。
辞めてと言っても無理矢理食べさせ、爆笑の渦が出来上がった。今まで数回見ているシーン。それ自体はなんの変化も無い。
だが、おかしいのは章太だった。