怨返し─赦されない私の罪─


数分後、学校はいつも通りにチャイムが鳴り授業へと移って行った。

先生の長ったらしいお喋りや静かにしなければいけないというストレス、苦痛でしかない授業を受けさせるのは、今の来希にとっては拷問そのものでしか無かった。

少し時間を空ければイライラが治まると思っていた来希だが、どんどん沸騰していくのが自分で理解していた。

五十分に及ぶ拷問は終え、来希はまるでマラソンのゴール後のように息切れをしていた。
そんな来希に清都は心配そうに近付いてきた。


「おい....大丈夫か?授業中めっちゃ注目されてたぜ?保健室行った方が」


「やるぞ...清都....」


「は?何を」


「決まってんだろうが...今すぐ千澤を潰すんだよ。この際どうでもいい。俺はマジでイラついてんだよ。」


来希は威嚇に近い目付きで清都に訴えかけると、唾を飲み込み顔を強ばらせた。


「....冷静で控えめ、それに寧ろ止める側のお前がそこまで言うなんてな...でもいいのか?学校じゃあ手が出しにくい。それにあっちも流石に昨日のことで警戒してるはずだし。」


「その辺は大丈夫だ。千澤は体育館裏に呼び寄せる。放課後の時間にだ。
それにそんなのあいつらの警戒を解けばいい。俺は、今になら靴を舐めてでもアイツらを潰してやる。」
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