怨返し─赦されない私の罪─
そう言うと来希は立ち上がり、依奈と佐々木、美苗のグループに近付いてきた。
それに気付いた佐々木はすぐに千澤に報告した。それに美苗も気付いて、来希達の方をキッと睨み付けた。
「....話がある。」
「あんたと話すことなんてない。依奈をどうにかしようとしてるんだろうけど、そんなの私が許さない。」
「美苗には関係ないだろ?俺はただ話をするだけ。何にも手は出さない。」
「...信用出来るわけないじゃん....あんたらこのクラスになにを」
「待って美苗。話ぐらいは聞くよ...何....?」
来希の眉がピクっと動いた。三人に見えない角度で思いっきり握り拳を固める。
このアマ...何偉そうに喋ってんだ?絶対....絶対に許さねぇ!!
そんな胸の内の気持ちを押し殺し、来希は無表情のまま三人を見つめ、頭を下げる。
クラスの絶対的存在の一角がターゲットの標的に頭を下げているのに、冷静ぶっていた依奈は仰天する。
流石の美苗も何も言えず、驚いた表情でただ見ていた。
「千澤...佐々木....昨日は悪かった。あの後、少し考えてみたんだ。京がいない今、俺は俺達が築き上げた立場をどうにかして保たないといけないって思っていた。...だが、考えて気が付いた。俺は俺達の立場をどうこうより、京の立場の方を気にしてたんだって....」