怨返し─赦されない私の罪─
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依奈と章太の出会いは親同士の交流だった。母親同士が同じ高校で親友、それに自分の子供も同い歳となれば会わない理由は存在しなかった。
だから、依奈が覚えている中で一番古い章太の記憶となると、何かモヤがかかっているような気がして特定が出来ない。それ程よく会っていた。
依奈は友達というより家族という括りに近い感覚を抱いており、不安でいっぱいだった学校生活も章太がいるだけということで安心できた。
だが、心配なのは学校生活ではなく章太のことへと変わった。
章太は運動が出来ない上に、弱々しく大人しい印象からか、イジメの標的になっていた。それを初めて目撃した時、依奈は口より先に手が出ていた。
この時、依奈は心の中で思った。
章ちゃんを絶対に守る。優しい章ちゃんを絶対に傷付けさせない。
この時を境に依奈は章太に近寄る、一回りも二回りも大きいいじめっ子にも負けじと向かっていった。
この行為にいじめっ子も良くは思わなく、次第に依奈は"男""ゴリラ"と言われた。だけど、依奈は全然悲しくはなかった。章太が無事ならそれで充分、それ程章太のことを大事に思っていた。