怨返し─赦されない私の罪─
「こ、こんちわ。竜さん。」
「あぁ〜。久しぶりだなぁ清都、来希。相変わらずお前達は分かりやすくて面白い。」
二人はひきつった笑いを浮かべながら、京吾の方へ足を進めた。
京吾は食べかけのリンゴを置いて、二人をじっと見た。
「よぉ。二人とも。早速だけどどうだった?」
そう聞かれると二人とも口を塞いだ。とても言いずらそうな顔をしているのに対し、京吾の目付きがみるみると鋭くなっていく。
辛うじて口を開けたのは清都の方だった。
「わ、悪い京吾...途中までは上手くいってたんだけど....俺達にも説明出来ないんだが、何故か人がいて...二人とも逃がしちまった....」
「お前ら...何やってんの?」
京吾は重いトーンで喋ると、ようやく来希が口を開いた。
「で、でも京!予測出来なかったんだよ!タンスの中に人が隠れてるなんて!
こ、今度は絶対にヘマしない...だから」
「あ?俺は別に逃がしたことを言ってんじゃねぇんだぞ?」
「え?」
「お前らは目撃されたんだ。やっと警察が"諦めて"くれてる最中にだ。そいつが警察へ言ったら完璧にマークされる。それ理解してんのか?今重要なのは千澤と来希推薦の佐々木じゃねぇ。目撃者なんだよ。」