キミに伝えたい言葉がある



昨日看護師さんには言っていたので、何も言われることなく俺たちは莉桜菜の病室に行くことが出来た。
今日は、ドアが閉まっていたので、ノックして中からの返事を待つと、中からドアが開けられ莉桜菜のお母さんが姿を現した。


「あら、真司君おはよう」
「おはようございます。莉桜菜さん、起きてますか?」
「えぇ、楽しみで昨日あまり眠れなかったみたい」


フフッと笑いながらお母さんは中に通してくれた。
そして、今日は俺だけでないので、莉桜菜のお母さんは、俺の母さんと高峯さんに挨拶している。


俺は、中に入って莉桜菜のところに行く。


「莉桜菜」
「あれ?真司君、今日学校は?」
「休みにさせられた・・・今日限定で熱が出たらしいよ、俺」
「何それ」


俺の話に、莉桜菜は笑った。


「昨日、眠れなかったんだって?」
「だって、今日が楽しみで仕方がなかったんだもの」
「でも、寝ないのはダメだろう」
「遠足前の気持ちってこんなだよね」

何を言っても莉桜菜は上手に流していく。


「莉桜菜ちゃん、お久しぶりね」
「あ・・・おはようございます、お久しぶりです」


莉桜菜は、俺の母さんの姿を見ると、ベットに座ったまま頭を下げた。
母さんは、微笑むと俺を見る。


「真司、あんたちょっと外に出てなさい」
「あーーはいはい」


着替えるなら男の俺はここにはいてはいけない。


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