キミに伝えたい言葉がある
俺は、フラフラとすぐ側にあったソファに座り込んだ。
ーーー覚悟なんてまるで出来ていなかった。
莉桜菜に言われていたはずなのに、いざその気配がちらつかされると俺は足が竦んで息をどうやってするのか忘れてしまう位に動揺してしまっていた。
視界の隅に、俺が買ってきたコンビニの袋が転がったいる。
拾いに行かなきゃと思っているのに、体は全く動かない。
大丈夫と看護師さんは言った。
だから、きっと大丈夫だ。莉桜菜は、まだ生きている。
ハッと自分の手を見れば、どうしようもなく震えている。
ぎゅっと握ってそのまま額に押し当てる。
生きているのか側に行って確認したい。
いつもの笑顔で、「真司君」と呼んでほしい。
今の状況が夢だと、思わせてほしい。
どっきりとかであってほしい。
彼女には、時間がない。
それを真っ正面に突きつけられてしまった。
いままで、受け入れて分かっていたつもりだった。
でもそれは「つもり」であって、実際は怖くて仕方ないんだ。
莉桜菜に纏わり付いている「死」という存在が。
俺は、そのままどうやって家に帰ってきたのか分からなかった。
気づいたら朝になっていて、昨日の服のまま、コンビニの袋はベットの下に転がっていた。
ガンガンと頭が痛い。
体を起こして俺は力なく項垂れた。
「・・・風呂」
昨日入っていない。
俺は、風呂に入る準備をして、ふとスマホを見た。