キミに伝えたい言葉がある
メールが届いていて、確認してみると莉桜菜からだった。
『今日、朝から会いたいな』
一文、たったそれだけだったけれど、それは莉桜菜がちゃんと生きているという証拠だった。
メールを見て、俺はようやくまともに息が出来るようになった。
「よかった・・・」
ホッとした瞬間、ぽろっと目から涙が零れた。
慌てて拭って、俺はすぐに返信した。
「準備して行く」
サッと送ってから、俺は急いで風呂に入った。
烏の行水のごとくシャワーを浴びると、すぐに着替えてリビングにいる母さんに今日学校を休むことを告げる。
「え、休む?」
「莉桜菜に呼ばれているから」
それだけ言って、俺は食卓にあった食パンを一枚取って口にくわえると、最低限必要な物を持って家を飛び出した。
今日は、歩いて行く時間も惜しいので自転車で向かう。
漕ぎ始めてからマフラーや手袋を忘れていることに気づいたが、今更仕方がない。
凍えそうになりながら俺は、莉桜菜のところに向かった。