キミに伝えたい言葉がある
俺は、そのネックレスを手に取ったまま、レジに向かっていた。
「プレゼント用で」
「プレゼント用ですねー」
店員とやりとりをして、俺はそのネックレスを購入していた。
かわいらしい手のひらサイズくらいのショップバックを片手に俺はなんだか不思議な気持ちだった。
「買ってしまった・・・」
このまま持っていたら莉桜菜に聞かれてしまうよな・・・。
たまたま近くの服屋に寄って良い感じのシャツを見つけた。
値段も安かったので購入して、そのショップバックの中に隠し入れた。
そうこうしているうちに、一時間が経った。
ネイルの店に戻ると、莉桜菜はまだ出てきてはいなかったので、ソファに座って莉桜菜を待つ。
数分後、莉桜菜が店から出てきた。
「あ、お待たせしました」
「おかえり」
「見てみて!かわいいでしょ」
莉桜菜は、今してもらってネイルを俺に見せてきた。
パステルカラーの莉桜菜に似合うかわいらしいデザインだ。
「似合ってるよ」
「ふふっうれしーな」
自分の手を眺めながら莉桜菜はうれしそうだ。
満足したなら良かった。
「次は?」
「またブラブラー」
「はいよ」
次は、どの店で止まるだろうか。
また歩き出そうとしていた俺だったが、少し歩いて莉桜菜が隣にいないことに気づいて振り返る。
莉桜菜は、ジッと俺を見ていた。