キミに伝えたい言葉がある
「どうした?」
「ん」
すると莉桜菜は、無言で手を差し出してきた。
あぁ・・・手を繋げってことか。
俺は、苦笑して差し出された手を取ってやった。
「行くぞ」
「うん」
ふふっとまた嬉しそうに笑う莉桜菜に、俺も嬉しくなった。
そこからまたグルグル回ったけれど、良い感じの店はなくて、どうするか悩んだ。
「あ、ゲームセンター」
莉桜菜は、端っこにあったゲームセンターに目をつけた。
「行くのか?」
「うん、行く」
目を輝かせ始めた莉桜菜に、前に行ったときも楽しんでいたし、ゲームセンターが好きなんて意外だな、と思った。
行くと、入る前は静かなのに、入った瞬間ゲームセンター独特の騒音が耳に響く。
色々な音が混じってうるさい。
莉桜菜は、まっすぐUFOキャッチャーのところに向かう。
流石大きなショッピングモール、UFOキャッチャーもたくさん並んでいた。
「するか?」
「いいのがあったらー」
UFOキャッチャー一つ一つを眺めて吟味を始める。
大きなぬいぐるみにおかし、そしてなんとドレッシングなどの食料品もあって驚く。
俺の中で、やりたいなと思う機械がなかったので、俺は莉桜菜についていく。
手は繋がれたままだ。
「莉桜菜、あった?」
「んーなにもなーい」
残念・・・と少し肩を落としつつ、でも、莉桜菜はどこかに向かっている様子だった。
「莉桜菜?」
「ん?」
向かう先にある物に、俺は頬が引きつる。
「莉桜菜さん?どこに行くのでしょうか」
嫌な予感は的中した。
そう、莉桜菜はプリクラ機が置いてあるところに入っていったのだ。
手を繋いでいるので俺も必然とその中に入っていくことになる。