君影草は誠を乞う

ーゾクッ…
二人は今まで感じたことがないほどの
背を這うような寒気を感じた。

つまりあの少年は、
ほんの一瞬の間に、
7人の男を地に伏せさせてしまったのだ。
それだけの技量を、あの少年は持っている。

2人は強者揃いと歌われる新撰組内でも1位2位を争う程の剣の使い手でもある。
故に自身の腕には多少の覚えがあり、ただの力が強い程度の相手には遅れは取らないであろう。

ーーーしかし、そこにいる少年は何かが違った。

骨格や筋肉の付き方など表面から感じ取れる強さではなく、刀匠によって研がれた刀のように怜凛とした鋭さとしなやかさ。
何か計り知れない恐ろしさが2人を駆り立てる。
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