perverse

「1階の庭付きもいいよな」
「えっ、そうですか？虫が多いですよ」
「美波が庭で花を育てる姿を見るだけでそそられる」

そそられる？何が？

ツッコミたい…も変なほうに話が流れても困るし、ここはスルー

「母にプレゼントしてくれた鉢植えはここの花？」

実は今日の手土産に、庭の花の寄せ植えをプレゼント

ヒマワリを中心に夏の色鮮やかな花をコーディネート

我ながら上手くできたと思っていた

「そうですよ。気に入って頂けるかわかりませんが」
「気に入ってたよ」

気にってくれたんだ。よかった

「ごめんネ。新居のマンション１階じゃなくて」

私達がモデルルームを訪れた時、残り５戸で、あまり選択の余地がなかったのは知っている

「別にいいですよ。私の趣味じゃないですから」
「何年か住んで、美波が住みたい物件があったらそこに引っ越そう」
「えっ、何言っているんですか？車を買い替えるとかと違い桁が違いますよ」

と言う私に対して、ニコニコしている宙さん

「俺幸せだよね。美波がしっかりしてくれているから、全て任せられるよね」
「全て？」
「うん。収入の管理とか」

たぶん宙さんの頭の中で、新婚生活のイメージを作っているのかも

どう返答していいのかわからないので、スルーしてキッチンに逃げ込んだ