perverse
「えっ、そんなに早いんですねー」
「美波いつから一緒に住める?」
「たぶん、うち同棲は無理です。親が許してくれません」

宙さんは何か思いついたのか

「じゃあ先に入籍しよう」
「私の親に説明が先じゃないですか?」

ウンウンって頷いて

「挨拶のスケジュール調整お願い」

なんて言う

「すごく早くないですか?」
「早く一緒にいたいから……」

そこは異論がない。でも・・・

「翔?それとも嫁?」

私の気持ちを見透かされてるように、当人の名前を出す

コクンと頷く

そこに触れないと前に進めない

「仕返しするの?」

首を横に振る

「見極めないと、一緒になってくれないんだ」
「はい」

やっと声にすることができた

「大丈夫だよ。もうあの時の翔はいないから。今いるのは、会う価値もない男」






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