perverse
「おかーさん、望愛がアイス食べたいって」

そんな声をする方を向いてみると、そこにはぽっちゃり型でレースのピンクのワンピースを着た不思議な感じの女

お母さんに会った挨拶もなく、馴れ馴れしい態度。私は人違いなんだと思っていた

呼びかけられた正面にいるお母さんの顔

表情が引きつっています

私は何となく、この人が何者かがわかった

『クスッ』と肩で笑っている自分がいる。たぶんココロの片隅で軽蔑し優越感に浸っている

この感情・・・私の中で、初めて感じる歪な物

心臓がドキドキして、今にも嫌味を言ってやりたい私がいる

これは私の変化なのか?

イヤ違う。たぶんこの女が醸し出す【負】を導き出すようなオーラのせい

取りあえず私は彼女を観察することを止め、二人の会話を他人事のように聞いていた

「あら、今日はこちらにパトロールなの?」

お母さんでも嫌味を言うんだ。意外な姿にビックリ

「望愛がバアバに可愛いお洋服を買ってもらいたいんだって。ねっ、望愛」

女の隣りにはまるまる太った1歳ぐらいの女の子がベビーカートに乗っていた。

目が翔に似てる

その子を見て、私は全く悲しくなかった

たぶん、宙さんが私にプロポーズしていなかったら、私は完全に打ちのめされていたと思う。復活できないぐらいに

彼に【一人の女】と認められて、私は救われたのかもしれない。宙さんはそれをわかって私にプロポーズした?

もしそうなら、彼が私に対する思いは本物なのかもしれない

そうこう考えている間も、母と女の漫画?とも思える面白い会話は続いている

「1歳の子供が服を欲しいなんていわないわよ。それより望愛の食生活を考えてあげなさい。1歳で肥満なんて最悪よ」
< 114 / 294 >

この作品をシェア

pagetop