perverse
お母さんの話によると、彼女はほとんど料理はしないようで毎日昼飯は娘と二人で外食をしているようだ

夕食は外食か、翔の実家に行って食べているらしい

娘のお菓子は無制限にあげているようで、見ての通りの肥満

『本当はうちにも来てほしくないんだけど、翔や孫のことを考えるとね・・・』
お母さんが寂しそうに言った

「そうですか」

と相槌は打つが、心がこもってない自分がいる

あの人を見てから私の心が疼いている。そして揺さぶられる

今の私にはそれが何なのかわからない

その後、調味料などをお母さんに買ってもらい宙さんの新居に戻る

荷物運びや片付けをお母さんに手伝ってもらい、なんとか彼が帰るまでに作業を終える

お母さんにお茶を出して一息

『本当に良い物件ね。美波ちゃん片付け大変だったはず。本当にありがとう』
「いえいえ。私も楽しんでやっていたので……」

二人で微笑みながらお茶を飲んでいると、お母さんが思い出したかのように

『このマンションの事、翔達には言わないほうがいいわよ。乗っ取られるから』
「乗っ取る?」
『乗っ取る…というのは大袈裟な表現かもしれないけど、自分が欲しいと思ったら容赦なしに強引に我を通すから。彼女は』
「はあ」

今日の様子を見るとわからないではないが、ある意味そういう行動をする人を私は見たことがない

『例えば、この家に居座って帰らないとか。絶対に家に入れないでね。手癖も悪いから』
「わかりました。ただ過去のことも含めて、ちゃんとしたお付き合いをするのはできないと思います。お母さんには申し訳ないですけど」

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