perverse
16 4年ぶり
お盆休みは新居にはお泊りに行くことはできず、久しぶりに会った両親と休日を過ごした
両親、特に父親は宙さんのことを気に入ったらしくこの結婚を喜んでいる。母は翔のことが引っかかているみたいだけどあえて口には出さないで、表面的には見守っている様子

宙さんは私のお盆休みとは関係なくずっと仕事。日当直が続いているので、会うこともできない。電話では話しているが、やっぱり寂しい

宙不足

ため息とともに出る心の呟き。ちょっと前までは一人でいるのが平気だったのに、今は寂しい
宙さんと再会してからの1ケ月半、どれだけ彼に甘やかされていて優しさに包まれていたか。痛いほど実感する休日だった


お盆休みが終わった週の土曜日の朝
待ち遠しく向かった、宙さんの新居
インターフォンを鳴らさず、直接合鍵で入る。時計を見るとまだ8時。
「せっかち」って自分で突っ込みながらリビングに入ると誰もいない。当たり前か寝てるよね

そっと寝室を覗くとやはり宙さんは熟睡中
起こしては悪いと思いドア越しで宙さんの姿を確認しそっと部屋から離れる

リビングを見渡すと、結構荒れている
テーブルの上は朝食のマグカップがあったり、バスタオルが椅子にかかってあったり
そういえば1週間近く訪れていないから仕方ないかもなんて思いながら片付けだした

家事をしながら幸せを感じる
結婚したらこんな生活なのかな

朝食の下準備も終わりする事も無くなったので寝室へ行く
宙さんの寝顔をベッドの脇で眺めている

眺め飽きたら、ベッドに入り宙さんの胸に顔を埋める
久しぶりの、宙さんの感触。ちょっと汗臭いかも。その匂いさえ愛おしく感じる

もう絶対、宙さんの好きより私の好きの方が勝ってきているよな。絶対宙さんにはナイショだけど
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