perverse
仕事終了後、宙さんのマンションがある駅に降りる
その駅は私の実家にある最寄の駅よりも会社に近い
もしかしたら、翔に会社からつけているかもしれないと思うと怖い
会社を出る時から何度か後ろを振り向いて確認しているけど、今のところはいない
翔には会社の事は話さなかった。別れて4年も経っている。転職だってしている可能性だってある
改札を出て宙さんに電話
「着きました」
『駅のロータリーに車を停めて待ってる』
ロータリーでキョロキョロ宙さんの車を探す

あった、黒いセダンが。小走りに車に向かう
いつもの通り助手席に乗ると私を心配そうに見る宙さん
『お疲れ様』
と言い車を発車させる
いつもだったら私から話し出すのだけれど、今日は気が乗らない
いつもと違う様子だと翔と何かあったかと思われる
「あの…」
『翔に何かされなかった?』
「大丈夫です」
なんて返事をしたけど、そういえば抱きしめられたっけ。でも言えない
「よかった。無事で」
呟く宙さん。翔が言うように本当に彼女がいるの?

私の目から見ても、二股かけてるように見えない
『ご飯食べて行こうか』
「はい」
平日なのでいつもながらの国道沿いのファミリーレストランに行くことに
宙さんはステーキセット、私はパスタを食べる
待っている間、宙さんを観察
『どうしたの…?』
「別に」
観察するのは怪しいかも
「聞いていいですか?」
直接聞いてみよう!
「何?」
「私と付き合う前は彼女いました?」
「今更そんなこと聞く?」
驚いている感じに見えるのは気のせい?
< 168 / 294 >

この作品をシェア

pagetop