perverse
『今日も実家に帰ったらいけない。心配だから』
「でも水やりが」

翔のことを心配してくれるのはわかる
でも心配性なのではって思ってしまうのは私だけ?

私自身もう二度と会いたくないというのも本音だけど

水やりの件は義兄に理由を説明して姉に行ってもらうように頼んだから大丈夫という宙さん
私から姉に話すと翔に対してキレられるのを想定して、ワンクッションをおいて義兄を通したのはなかなか策士だとは思う
これが全て私の為だというのも良くわかる

宙さん行為一つ一つが翔の言っている事と違うので、宙さんの言う通り嘘なのかなと思う
この頃は宙さんへの疑いは無くなっていた

その日の夕方無事仕事も終了し、宙さんに言われた通りマンションに帰る
今日の宙さんは夜の診察を交代したということで帰宅は9時頃
帰宅中、頻繁に後ろを振り返る私
また翔につけられていたら怖いので念のため
マンションはバレていないとので、実家よりはマシだとは思うんだけど
今更会ったって自分の欲求しか言わない理不尽な解決策しか提示しない翔に魅力を微塵にも感じない
男は女が変えるなんて言う人もいるけど、翔の場合は本当だ…なんて思うと笑いが止まらない

私は宙さんを変えることはできる?
宙さんは私を変えることができる?
私はいろんな意味で未熟なので、年上の彼を変えるのは難しいかもしれないけど、後者はありえるというか現実に変わってきている

マンションに帰る途中、スーパーに寄り夕食の買い物をして帰る
今日の夕食は、彼の好きなハンバーグ
マンションに着いてから帰宅まで時間があるようなので掃除から始めた
掃除が終わりさあ料理に取り掛かろうとした時

ピンポーン

インターフォンの音が鳴る

インターフォンの音は2種類ありマンションのエントランスからの呼び出し音と部屋のドアからの呼び出し音がある
今回は部屋のドアからの音

テレビで確認すると、30代の女性の姿。「はい」と応答

「町田です」
と女性の声がしたので私は近所の人だと思い玄関のドアを開ける

業者さんとかはエントランスのインターフォンを利用してからこちらに来るので、ダイレクトに玄関に来るのはマンションの人のみと思い込んでいた
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