perverse
「わかってるんだったら、どっかに行ってよ。アンタの顔を見ると、昨日の事を思い出して腹が立つから」
「昨日の事ね。兄ちゃん真理さんのこと切ったんだって」
「何でアンタ知ってるのよ?」
「美波怖すぎ。この前実家であった時とキャラ変わってるよ」
「アンタに呆れているの。昨日の修羅場でアンタの名前が出ただけでも反吐がでるわ」
「昨日俺の名前が出たんだ。真理さんがしゃべったの?」
「しゃべられるようなことしているの、自覚があるんだ」
「少しはね」

1週間前に待ち伏せされた時は我儘キャラを貫いていた翔。嫁が翔を変えたのだと思っていたけど、今私と話している翔は過去に付き合っていた頃の翔と何も変わらない

「アンタが彼女のセフレだって」
「そんな事話したの?真理さん」
「正確に言うと宙さんに突っ込まれた感じ」

もういいでしょう。私は1人になりたいと思い翔を遮り歩き出す

「美波、ストレスたまってる?」
「わかってるんだったら、ほっといて」
キツイ口調で、追い払おうとしているのに、翔は懲りもせずついて来る

「美波、大丈夫?」

昔好きだった声で優しい言葉を口にする
今の私はそれに縋りたくない

「大丈夫じゃないって見たらわかるでしょう。私の事はほっといてよ」
「ほっとける訳ないだろう」

昔の彼と同じ行動
でも、感傷に浸ってはいけない

「それは未来の義姉に向かって?それとも元彼に対して」
そんな言葉を口にする私。絶対弱っている
「元カノに決まっているだろう」
これって、ヤバイ。私の中の危険信号が鳴る。逃げなきゃ

「手を離して。今から用事があるから」
「どうせ嘘だろう?」

見抜かれている
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