perverse
私は表面上の宙さんしか知らなかった
再会してから2ケ月しかたっていないのにマンションを購入したり、婚約したり、人生の中のメインイベントをこの期間で凝縮しすぎたような気がする
「宙さん、少し休憩しませんか?」
『休憩?』
「結婚はいつかするにしても、イベントの準備でここ1ケ月忙しかったですよね。私は、結婚じゃなくて恋愛を楽しみたいんです。式場も慌てて決めるのではなくて、ゆっくり納得した所にしたいのですがダメですか?」
そんな私の提案に宙さんはホッとした顔をして『わかった』と
例えば、私達がお見合で結婚をするのなら、こんな短期間でも上手くやっていけたのではないかと思う
愛の前に結婚という形式が先行するのだから
でも私は、形式よりも愛情を求めたい
これは恋愛結婚なのだから
宙さんの強引さで此処まで辿りつたけど地盤のない私達
わずかな振動で今回みたいにギクシャクしてしまう儚い関係
もう少しだけでも二人の絆を強めたい
と思うのは私の我儘だろうか?
私もまだ27歳
2ケ月前までは結婚なんてご縁のない世界の住人だったから別に焦っている訳ではない
私が宙さんを失礼ながら翔のレプリカ?って思っている節も否めない
私達の関係は地盤が緩すぎて、ちょっとの刺激ですぐ脆くなってしまう
今回の院長親子の件で思い知った
私達が足りないのは時間だと思う
もっとお互いをさらけ出していかなければならない
私達は家族になるんだから
4年前は結婚のことは考えていたけど
こんなに深刻に考えたことはなかった
恋愛の延長に結婚があった感じ
今は勢いでえいって結婚に突き進めば良いのに、慎重になりすぎている
4年前よりも理想が高くなったり価値観が変わって来ているのは事実で
勢いで物事が進めないお年頃になっているのか慎重すぎる
何も考えずにそのまま宙さんの胸に飛び込めばいいのにそれができない私がいる
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