perverse
「油断ってどういうことなの?」
本題に戻してみる
宙さんの表情が少し曇ったような気がする
「昔、翔の彼女として実家に来た時俺のことどう思った?」
「宙さんは無愛想で人に関心がなく寡黙な人」
そういうことか
宙さんの言いたいことがわかった
「私の為に無理してくれていた。ごめんなさい。全然気付かなくて」
『悪いのは俺だ。美波が欲しくて強引な手段を使ってしまった。嘘の自分をさらけだしてしまったから」
宙さんの話を聞いて涙が頬を伝って落ちてくる
私は全然宙さんのことを知らなかった
ずっと彼を理解したつもりでいてたのに……
『言い訳になると思うけど、最初から意識してよく喋るようにしていた。翔の真似をして』
何年も会っていなかってのに多少は気を使ったけど、でも心地良く時間を過ごす事が過ごせたのは宙さんのお陰だったんだ
健気でカワイイって思った
『ここ数日、機嫌が悪いのはオペが立て込んでたりしたり真理の事とかあってストレスが溜まっていて自分を飾る事ができなかった。ゴメン』
ションボリしている
今まではSのイメージだったけど本当の彼は違うのかな?
私達は再会してまだ2ケ月
お互い触れ合い思いを深めていたと思っていたけど、まだまだそれを満たすには時間が足りないた
その後はいろんな事を話した
真理さんは学生の頃から政略結婚を覚悟をしていたこと
今回、宙さんとの結婚を望んだ理由が婚約者の容姿【ハゲ、デブ、チビ】に耐えれなかったから
宙さんが真理さんとの結婚を拒んだ理由が、彼女の性格の件もあるけど、病院の経営が上手くいっていないのではという疑いがあり、玉の輿ではないことを強く言っていた
院長親子が来た時、私をあまり庇えなかった事は謝ってくれた
大学の医局から派遣されている身とはいえ、院長は経営者。サラリーマンと立場は変わらないから、あまり強く言えなかったと申し訳なさそうに話してくれた
この前、大学に行ったのは教授に結婚の報告をしたり、色々根回しとかやらないことがあったから
今まで、私に全く話さなかったことを事細かに教えてくれた
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