perverse
「今日午前中出勤だったんです。それで電車で通勤していたら青山駅の向かい側のホームに真寛さんの姿が見えたんです。どこかお出かけなのかなんて思ったので」
いけしゃあしゃあと嘘を吐いてしまう私
宙さんと翔は無言で真寛さんの様子を伺っている
私の話を聞いた真寛さん。カレーを食べていたスプーンの手が止まる
もしかして動揺している?
「真寛、青山駅なんて行く理由あったの?」
一度も話しをしたことのない私の言葉には無視するけど、旦那の翔の話には答える…と思っていたら何も話さず、でも手もまだ止まっている
「買い物?それとも男とデート?」
翔もしかして私達がいるから強気で出ている?
翔の失礼な質問に怒ったのか真寛さんの顔が真っ赤になっている
「デートは翔でしょう?私はその相手を探しにいっただけよ」
翔に噛み付くように言い返す真寛さん
もしかして翔の浮気を怪しんでいる?
宙さんのマンションに行っていたのもバレている
「デートなんかしてないよ」
「だってぇ、この前帰りが遅くなった日青山駅の新築マンション付近に何時間かいたでしょう?私知ってるんだからー」
「何で知ってるの?普通わからないだろ」
翔は自信ありげに、真寛さんに言っている
「翔の携帯のGPSでわかったのー」
悪気もなくあっけらかんに告白
もしかしてこの人天然?
「俺の携帯にしかけたのか?」
「あったり前でしょう?私は妻よー。それぐらいの権利はあるでしょ?」
悪気もなく、正当性を訴える
妻としては当たり前か
私も同じ女性として異論はない
「俺を疑ってるのか?」
「だって元カノが翔を取り返しにくるかもしれないでしょ?」
それって私の事?
目の前に私がいるにも関わらず、その発言をするという事はバレてない?
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