perverse
「翔って本当に愛されているよな」
「そうでしょう?宙くん羨ましい?」
真寛さんがノロケだした
「前の彼女が翔を取り返しに来てるの?」
目の前に元カノの私がいるのに、そんな事聞く?
とも思ったりもするけど、私もその内容を聞きたい
悪趣味だけど
「そうなのよぉ。宙くん聞いてよー。翔ったら最近帰りが遅かったり、女性用の香水の匂いをつけて帰ってきたりするのよー」
私の脳裏に真理さんって文字が浮かんだ
結構、翔もやってるんだって呆れてしまう

『その香水の相手が元カノっていう根拠はあるの?』
「あるわー」
「だって、私と出会うまで元カノしか知らなかったし、翔はもてないし浮気をするならその女しか思い浮かばない」
『翔、そうなの?』
「そんなこと絶対ない。彼女、結婚するんだよ」
そんなはずないじゃないー!翔と結婚しようと思っていたのに、私に取られて今でも引きずっているんじゃないのー?」
「その根拠は何?」
「そんなの無いわ。私の野生の勘」
「俺が浮気しているって疑うのなら、お前はしたことはないのか?」

翔の反撃
翔夫婦以外は興味津々に真寛さんを注目しだす
彼女は急に冷めかけたカレーを口に運びだす
様子がおかしい
もしかしたら図星?
沈黙
そして変な空気が流れ出した
何もなかったかのように振舞う真寛さん
ひたすらカレーを口に運んでいる
でも一口の量が普通より多いので、あっというまに無くなってしまう
そのタイミングを見計らってか
「真寛、答えろよ!」
煽るように怒鳴る翔
「あるわけないでしょう?」
翔が鞄からDNA検査の結果を取り出し、真寛さんの前に出す
「何これ?」
ってその紙を手に持ち、書類をを目にした
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