perverse
「お姉ちゃんの言う通り。あの時の私は捨てられるなんて微塵にも思っていなかったから自分の力で解決しようとか縋るとかしなかったの。私が彼に別れの引導を渡したら反対に戻ってくるとも思ったぐらい。私が彼に対して、あの時もっと素直に向き合っていたら私はここにいなかったかな」
幸せそうに微笑みながら昔話のように話す私
翔の事は過去の思い出となった証拠
1年以上前には翔の事をあんなに引きずっていた私は何処に行ったの?っていうぐらい他人事だ
「アイツじゃなくて星野先輩の方が美波らしく生きれてお似合いだと思うよ」
「私もそう思う」
「美波、幸せになってね・・・」
姉はそう言い、涙ぐみながら部屋を去って行った

しばらくしてから担当スタッフの方が迎えに来て、私はドレス姿でホテルに併設されたチャペルに向かう
擦れ違う人達が
私を見て

「おめでとうございます」とか「キレイ」とか口々に言って下さる

今日は私の晴れ舞台なんだ・・・って改めて思う
チャペルに入るとお父さんが待っていて、あっ少し目が潤んでいる
父の隣に行き
「お父さんありがとう」
お礼を言った
チャペルのドアが開き祭壇の前には、ダークグレーのタキシードを着た宙さんが少し緊張した面持ちで待っている
音楽が流れ、父と腕を組んだ私は一歩踏み出す
宙さんと視線が重なり、彼が私に優しく微笑んだ

ずっと
ずっと
夢見ていたこの瞬間

現実に叶う

人生は選択の連続で、その結果が今の私
全て自分で決めてきた
何一つ後悔はない

これが私の人生だから・・・




end
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