perverse

「真実・・・？」
「美波ちゃんは４年前、翔の嫁に取られた理由を知りたくないか？」

フッといつもの悪戯な笑顔で、沈静したはずの私の心を弄るような質問を吹っ掛ける

宙さんの言っていることは理解できる

ブライダルフェアに行ってからの音信普通、そして別れ････

普通では考えられない、何かが起こったのは確かだ

知りたくない････なんて言ったら嘘になる

「知りたいです」

本当は知らなくてもいいのかもしれない

実際この４年間、目を背けていたわけだし

この【真実】を知るためには、宙さんの力が必要だ

宙さんの顔を見る

「じゃあ結婚しよう！」

って笑顔で言い、また私を抱きしめる

「あのーこの展開の意味が分からないんですが･･･」

私を抱きしめる彼の腕に力が入る

そして緩めたかと思うと

「飲み物決まった？」

ってまたはぐらかされる

メニューを見ている私
隣には笑顔で見守る宙さん

『あーお酒飲みたーい』･･･って思っているけど、飲めない宙さんを差し置いてはイケナイって
思うから悩んでしまう

「美波ちゃんカクテル好きだよね？　飲んじゃえば？」

って言ってくれるけど　

「宙さんが飲まないので、私も遠慮しておきます。」

とかわしてみた。そんな私を見てフッーと溜息をつき

「じゃあ俺が飲んだら、飲んでくれる？」

微笑むながら言う宙さんがいる