perverse
「あっ、そうなんですか」

本当に購入するんだ。他人事のように感じてしまう

「テンション低いな。二人の愛の巣なのに」
「えっ、私も住むんですか?」
「当然でしょ」

話を中断するように料理が運ばれて来たんだけど、食べながら宙さんは話を続ける

「結婚するんだから」
「そうですね」

結婚するってことは、生活を共にすること

頭では理解しているつもりだったけど、心の準備はできていないようだ

「住めるようになってなったら、速攻では引越そうと思っている」
「何でそんなに慌てるんですか?」
「美波ちゃんと早く一緒に住みたいから」

理由はそれじゃないような気がする。たぶん物件購入は私と知り合う前から計画されていたもの

展開が早いのにも、何か理由があるんだと思う

それは何か?
知りたいと思った

「理由はそれだけですか?」
ストレートに聞いてみる

「早く家を出たいから」

だから家を出たい理由を知りたいんです!

でも宙さん、それ以上話す気がない様子

たぶんそのうち教えてくれるかなと私も諦め、パスタを口に運ぶ

食後

「うちの親に会ってほしい」

その時が来たと思った。たぶんそこには翔もいるだろう

ゴクリと唾を飲み込む

すごく緊張している自分がいる
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