perverse
「来週の土曜日の夕方から空いてる?」
「はい」
「その日、うちに来てほしい」

4年振りの星野家
緊張する

「美波ちゃん頼みがあるんだ」
「頼み?」
「本当は外食にしたかったんだけど、母が手料理を振舞いたいって言うから」

お母さんは確か料理が得意だったよね…なんて思い出していると

「昔みたいに、料理を手伝ってほしいんだ」
「いいですよ」

えっ・・・・こんな当たり前のこと頼むんだ。なんでだろう?

「ごめんね。お客様なのにこんなこと頼んで」

あっ、そう意味。納得した

「母は美波ちゃんを気に入っているけど、もっと味方になってもらえるようポイント上げとかないといけないから」
「ポイント?」
「ハハハハハ・・・・」

宙さんは笑って誤魔化す

何を考えているのか理解できない

結局、この日は宙さんが明日も仕事が忙しいので食事だけ

6日前はラブブラだったから、すごく寂しい自分がいる

車が私の自宅前に着き、私の唇に軽いキス

「明日はゴメンね。当直明けに住宅ローンの手続きする予定が入っていて」

私は首を横に振り

「仕事忙しいのに、気を使わて申し訳ないです」
「次からさ俺のこと【さん】付じゃなくて 呼び捨てで読んで」

悪戯に微笑みながら言った

「わかった?」

私は頷き、車を後にする

この一緒に過ごした時間の終わりは寂しい







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