breath
準備万端

樹さんがお風呂に入っているので、ソファーに座りテレビを見る。

いつもならお酒を飲むんだけど、今日は止めておく。お酒に飲まれたくないから………


樹さんが髪の毛を拭きながらお風呂から出てきた。シャツとスエット姿なのに、キラキラ輝いて見えるのは、私の妄想?でも、それぐらい樹さんに惚れている自分がいる

「あれー、今日は飲んでない?」
「えっ、ええ。疲れちゃって。お酒が無くても寝れそうなので……」

意味不明な言い訳をする。いつも、寝るために飲んでいるお酒じゃないのに………

樹さんは、ニヤッって笑いながら

「俺も今日は止めておく」

って言う。時計を見ると11時を少し過ぎていた。

「疲れたし、そろそろ寝ます。おやすみなさい」

ぺこりとお辞儀をして、自分の部屋に行こうとすると、樹さんに腕を掴まれた

「今日は、そっちで寝るの?」

と聞かれるには理由があり、実は引越ししてから昨日まで、ずっと樹さんのベッドで寝ていた。
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