breath
「お母さん、私が行っていいのですか?」

お母さんは藤崎さんのことを知らないの?今、樹さんが抱えている問題を

「何、言ってるの?明日美ちゃん自信を持ちなさい」

自信なさげにしているように見えるのか、背中を押してくれるお母様

本当に有難いと思っている

今でも少し心が弱っている私はウルっとしてしまう

「明日美ちゃんどうしたの?」

電話の向こうで何かを感じたのか、心配してくれている

「ーーー私って幸せなんだな……って思ってしまって………」
「ウフフ……おのろけなんだから……」

って私を茶化すお母様

本当は違うんですよ。今の私と樹さんの間には【幸せ】なんて微塵もない

私の中にある感情は嫉妬と狡い気持ちだけ

「ーーーあのお母様、何を着て行ったらいいです?」
「あーそうそう、スーツでいいんだけどー、今度一緒に買い物行かない?」
「買い物ですか?」
「そう。夢なのね……娘と買い物行くの」
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