breath
「売る?めっそうもない。大切に使わせて頂きます」
「ホント?」

専務はニヤって笑う

これって、ドッキリですか?

って思ってしまう私、この二人の男性におちょくられている

「じゃあ、今つけている姿が見たい」

という専務

これからデートなのに、絶対嫌がらせだ……

私が不安げに室長の顔を見ると『つけてもらいなさい』とでも言うような笑みをしているので、私は引き下がれなくなっていた

包装からネックレスを出し、つけようとセミロングの私の髪を一つに纏めると

「私がつけてあげる」

と専務が私の傍にやってきて、ネックレスを奪う

『これってセクハラですよ』って言いたかったけど、こんか高価な物をいただいた訳だし、これぐらいはやらないといけないのかな……と思い従う事にした

私のうなじの近くに専務の顔がある

彼の息が微かにかかり、私の心臓はドキドキ鳴っている

だって、こんなシュチエーションは生まれて初めてなんだもん
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