breath
10
インターホンの音がなり、下からバタバタと足音がする

私と密着していた樹さんの身体が離れ

「誰だろう?誰か来るなんて聞いてなかったのに」

樹さんが言う

「もしかしたら、親戚の人かもしれないから下に行くよ」

あーあ、もう2人の時間は終わりなんだ……と思うと寂しいな……

たぶん気持ちがだだ漏れして顔に出ていた

樹さんはそんな私の頭をポンポンって頭を叩き、いつもの優しい微笑みを私に向けてくれ

「この続きは家に帰ってからね」

優しく言ってくれるから、私は家に帰ってからの事が寂しくなってウフフ……って、ニヤけた笑みを漏らしてしまった

「明日美、何考えてるの?」

ニヤって悪戯な表情で樹さんが言うから

「想像にお任せします」

顔がほんのり熱くなっているので、たぶん顔は真っ赤になっていると思う。

「じゃあ俺と一緒だ」

私を軽く抱きしめて

「明日美も挨拶しなければいけないから、準備ができたら下に降りてきて」


と言い下に降りていった
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