breath
ひっ、酷い顔……」

あまりの悲惨さに、声が出てしまう

母が心配してお母様に仕事の件を相談するのもわかったような気がした

それより専務出かけると言っていたけど、どうしよう……

ーーー考えた結果、取りあえず目は眼鏡で隠す事にした


着替えて、厚めの化粧をしリビングにいる専務の所に行くと、父と世間話をしていた

眼鏡をかけた私を見て何か言いたそうな専務

でも、さすがに父の前、何も言わなかった

「じゃあ、少しお借りします」

父に一言をかけ、専務は私を家から連れ出す

家の横に置かれた黒塗りのセダンの車

専務にプライベートの車だろう。初めて見る

「助手席にどうぞ」

とドアを開けてくれる専務、紳士的だ

車に乗り込み

「何処に行くのですか?」

と聞くと

「何処に行こうかなー」

ニヤッて微笑む専務。車を発車させる

「お腹空いていない?」

お腹か……そういえば最近何も食べていない……
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