breath
「あの……専務はどこまでお知りなのですか?」

専務はフフフッて微かに笑いながら

「樹が藤崎を孕ませたってこと?」

そうです……でもこの話題、どんな顔をして話していいのかわからない……

「そうですか……それで……」

話を続けようとするが、言葉が詰まる。ここから先は……私には立ち入り禁止のような気がして

そんな私を気遣ってか、専務は

「望月さんはその先の事が知りたいんだよね?」

私に確認をするけど

「実は俺も知らないんだよね」

軽く微笑みながら言っているように見えるのは気のせいだろうか?

「そうですか。2日と3日の親族の集まりには……来られていたんですか?」

私が行くべき場所だったのに……もしかしたら藤崎さんが私の代わりに婚約者として行っていたのなら……この3日間、泣きながらその事も気になっていた

「樹は来ていなかったよ。来ていたのは高宮常務夫婦だけ。そして結婚の件は一切話されていない」
< 287 / 657 >

この作品をシェア

pagetop