breath
二人とも無言が続く

私から何も話す事はない

聞きたいことはあるけど

私の心臓がドキドキしすぎて、『聞きたくない』って身体中で拒否しているように思えた

心臓の音を感じるたびにツライ

早くこの場を去りたい

と思ってしまう

重い口を最初に開けたのは藤崎さん

「あなたの思った通りになったわ」

それって、お腹の子は樹さんの子ってこと?

彼女はニコって笑顔で言う

「私ね来週から彼の所に行き、一緒に住むの」

キラキラ輝くような笑顔で話すから、今の私の心が対照的に荒んでいるように見える

「そうですか」

相槌を打つだけで精一杯、早くこの場を去りたかった

「私幸せになるから」

自身有り気に私に宣告する

私が勝者だと、彼女のオーラが言っているようだ

真実がわかり、敗者の私

1ケ月前までは、貴方から樹さんを奪ったと思って勝ち誇っていたのに
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