breath
樹さんと繋がれている手が熱く感じる

「明日美、俺に気を使っている?」

「ーーーーー」

返事ができない

本音をいえば今すぐにでも樹さんの前から消えたい

この世から……消えても良いかなぁと思う時もある

今、私を支えている気持ちは……


「いえ、全然」

取り繕う笑顔で誤魔化す

「じゃあ、明日美の部屋で食べて良い?」

さすがに、居候の樹さんだけの時に社長宅にお邪魔するのは気が引ける

実際、居候の条件に女は連れ込まない……って言われてたし

「いいですよ」

本当は一人になりたいのに………と思っているけど、さすがにそれは言えない

自分で自分のクビを絞めている

そこまでやっている自分と葛藤している


マンションに着き、樹さんは着替えてくると10階に行った

速攻で自分の部屋に戻り、肉を解凍しながら掃除機をかける

リビングだけでいいいね……?

寝室は入らないよね?


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