breath
「信じて……ずっとそばにいるから……」

苦しそうな声で言う樹さん

今度は大丈夫?

不安はあるけど、今、吹き出している私の性欲を抑える事はできない

そして抱かれてしまえば、樹さんに逃げ道はない……そう高を括っている狡い私もいる

彼を自分の身体で縛りつける

確か二年前も同じ事をやろうとしていた

なんの進歩もない私

私は返事はせず、自ら彼の身体に腕を絡ませて唇を押し当て、彼の唇をこじ開ける

樹さんは無言の返事を汲み取ったのか、パジャマのボタンに手をかけた

二年前と比べると、激ヤセしてしまい貧相になってしまったこの身体

樹さんはどう思うのだろう?

私の現実を目の当たりにして、この先を進むのを止めるだろうか?

それとも、それも受け止めてくれる?

私は幻滅されないように彼を煽る

感じてるフリをして……

彼は痩せ細った私の身体をわかっているはずなのに、昔と変わらないように愛してくれている
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