breath
樹さんは何のためらいもなく、私の身体を堪能する

舌で

指で

私の感じるところを弄ぶ

二年前と何も変わらない

私の身体の感じる所を、確実に覚えている

私は彼に与えられる快楽を感じているけど、恥ずかしくてまだ声を押し殺している

そんな遠慮気味な私に樹さんは

「明日美……声を聞かせて……」

耳元で囁き、彼の指が私の口に入る

「明日美、おいで」

樹さんは、私の忘れていた気持ちや感情などを呼び覚まそうとしているのか、昔と変わらない手順で私を責める

私の脳裏で、懐かしい感情が込み上げてきて涙が溢れ出してくる

そんな私を樹さんは、壊れ物を扱うように優しく触れる

涙を指で拭い、優しく抱きしめる

「明日美……明日美……」

儚い声で耳元で私を呼ぶ

彼は私に十分な快楽を味わせてから、私の中に入ってきた

懐かしい感触

また一つに繋がれる日が来るなんて、思ってもみなかったから
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