breath
「わかった」

って言う樹さん

こればっかりは仕方ないか……

それに、樹さんの車で出社でもしたら……噂が壮絶になるのは目に見えている

できれば避けたい

「樹さん、一つお願いを聞いてもらっていいですか?」

ワザと無邪気におねだりをする

それは私が求める証拠だ

「何?」

ニヤって嬉しそうな顔をする、樹さんの左手を軽く握る

もちろん恋人繋ぎで

ワザと彼が断れないような演出

私はニコニコしながら

「この助手席を私の指定席にして良いですか?」

「えっ、そんなこと?良いよ」

「本当ですか?他の女の人を絶対乗せないって約束してくれますか?」

私は彼を追い詰めようとしているのかもしれない

でも私の思いとは裏腹に

「当たり前だろう?最初から、そのつもりで購入したのだから」

と言う

「わかりました。嬉しいです」

そう言い、手にぎゅっと力を込める

「明日美、以外とヤキモチ焼きなんだね」
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