breath
経営管理室の一社員が見れるとは思えなかった
「だから、言っただろう?組織的って」
つまり犯人は中川親子だけではなくて、リストラに危機感を感じている人達
「誰が人事ファイルを開けたのですか?」
「誰だと思う?」
「総務課長?」
「当たり。課長は中川の父親の口利きでこの会社に入社。匠さんは管理部門の部長以上は本社からの出向組で固めたけどさすがに課長以下は手が回らなかったらしい」
車の傷の件で彼と関わった時の保身な態度を思い返すと頷ける
「総務課長がファイルの情報を流した犯人だ。といっても俺の情報は父親の事もあるので当たり障りのないよう手を加えられている。でも、明日美のはそのまま載っていたんだ」
そのままという事は私が婚約者として樹さんと社宅に住んでいた事や病気で療養の為欠勤していたこと
「それを見て揺さぶる対象を私に変えたって事ですか?」
「俺と匠さんがいない時のあの手紙。秘密にしておいた出張先が漏れ売却を阻止するために送られたものだ」
手紙の話になり急に胸の動悸がドキドキしてきて呼吸が荒くなり息苦しい
あの手紙の【死ね】という文字が思い出され頭から離れない
何となく気づいていたけど、この手紙の理由を言葉で聞いたら
普段の私だったらスッキリするけど今の私は
聞きたい気持ちもあるのだけどその阻止が悪意のあるもので、私を闇に突き落とすものだったから
あの時の辛い気持ちが湧き出てきて涙がいっぱい溢れ出した
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