breath
「ないって言っているじゃないですか」
「俺、明日美のやりたい事知ってるよ」
チュッて触れるだけの軽いキスをしてくる
周囲に人影は見えないけど、このシュチエーション
やっぱり照れるし恥ずかしい
顔が一瞬で真っ赤になる
そんな私を見て、樹さんは私の頬を撫で優しく微笑む
それから私達は一言も言葉を交わさず家に帰る
手だけは繋いでいた
私が口を開かなかったのは、いくら今の気持ちを言葉にしても陳腐な言葉にしかならないから
伝えるならこんな病んでいる自分ではダメ
衝動に掻き立てられそうな自分がいるけどグッと我慢する
樹さんの実家に着き私は二階、樹さんとハルちゃんは1階へ
私は客間に入ると冷蔵庫からペットボトルを出し水分を補給しバスルームに向かう
短い時間の散歩だけど気温が高いので汗だくになっている
シャワーを軽く浴び寝室に戻る
独立した部屋なので誰も入って来ることもなく私は一人暮らしをしていた時みたいにバスタオル1枚を巻付けた姿で隣の客室戻る
テレビがついている
シャワーを浴びる前には消えていたのに
油断してた
テレビの前のソファーに座っている樹さんの後ろ姿
ちなみに着替えは部屋の中
裸も過去に見られているから今さら恥ずかしがって隠すのも
いかにも避けてると思われてしまう
今の私はそんなこと全く思ってないし
カタッて物音がして樹さんが私の方
視線が合う
樹さんは嬉しそうに笑う
何が嬉しいの?
「着替えるからあっち向いて下さい」
「何で?」
樹さんは私の元にやって来て抱きしめる
想定外の事だったので、言葉がでない
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