breath
翌日
私はいつも通りに店頭に立つ
昨晩、泣いたせいかスッキリ
というか逃げてきた私は、いくら過去を振り返っても全ては終わっていてもう何も変わらないし進まない
もっと気持ちに踏ん切りをつけなければ
私がいなくても皆、前に進んでいる
もちろん、樹も
これからの新生活を見据えて、マンション購入
その新生活、樹の隣にいるのは私ではない別の人
想像?
妄想?
している私は自分を否定するように、首を横にブルンブルン振る
一緒に店に立っている人が、私の突然の動きに不審がっていた


夕方
もうすぐ勤務終了の時間
ふと、透明のドアの方を見る
見覚えのある人の姿が私の目にる
こっちに来てから、よく夢を見るあの人が
一瞬、私の中の時間が止まったかと思った
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